腕神経叢損傷
【症状】
上肢のしびれ、肩の挙上や肘の屈曲ができなくなったり、時には手指も全く動かなくなったりします。
【病態】
オートバイの転倒事故やスキーなど高速滑走のスポーツでの転倒で、肩と側頭部で着地した際、また、機械に腕を巻き込まれて腕が引き抜かれるような外力が働くと、腕神経叢が引き伸ばされて損傷します。肩関節の脱臼などでも損傷します。また、お産の際、骨盤位分娩や肩難産の際、児頭か肩が産道の狭窄部にとらえられたまま、分娩操作で頭と肩が引き離されるような力が働いて腕神経叢が伸張され、損傷します。分娩による腕神経叢損傷は分娩麻痺と呼ばれます。
【治療】
自然回復が全く期待出来ない症例では、神経移植術などにより損傷部の再建が可能な症例か、それが不可能な神経根引き抜き損傷か、早急に判断しなければなりません。手術で腕神経叢を展開して、再建が可能と考えられる症例には神経移植術が、再建が出来ない神経根の引き抜き損傷例症例には肋間神経や副神経の移行術が行なわれます。
<頚(首)の疾患>