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リウマチ科

関節リウマチは、自己免疫疾患と考えられています。

自分の身体の一部を自分のものではないと認識して、これに対する抗体を作って、滑膜という組織にリンパ系細胞が集まって反応が起こります。そして、滑膜はさまざまな破壊物質の産生工場となって、次第に自分の軟骨や骨を破壊していきます。重症の場合には、関節は固まったり、逆に緩んで大きく変形したりします。そして最終的に関節が破壊され尽くすと、変形を残して炎症は治まります。

診察室

関節リウマチの症状

関節リウマチの症状は関節だけでなく、全身に様々な症状がみられます。

関節症関節外症状
  • ● 腫れ・痛み

    自発痛、圧痛、運動痛、腫れ、手関節、指の第2、第3関節、手関節に好発

  • ● 朝のこわばり

    朝方、手指がこわばり、手を動かしていると、徐々に落ち着く

  • ● 変 形

    炎症が続くと、関節の軟骨や骨が破壊されて、関節が変形してくる

  • ● 可動域制限

    関節の動きが悪くなる

  • ● 関節動揺性

    関節周囲の靭帯がゆるくなり、不安定になる

  • ● 握力低下

    痛みや関節可動域制限のため握力が低下

  • ● 全身症状

    全身倦怠感、易疲労感、微熱、貧血

  • ● 皮膚症状

    リウマトイド結節(皮下結節):痛みなどがない小豆大~大豆大の皮下腫瘤で、圧迫を受けやすい部位に生じる

  • ● 眼症状

    強膜炎、上強膜炎、乾燥性角結膜炎など

  • ● 血液障害

    貧血

  • ● 腎障害

    続発性アミロイドーシス

  • ● 呼吸器症状

    間質性肺炎、胸膜炎、肺線維症

  • ● 心・血管障害

    心筋炎、心外膜炎

  • ● 骨粗鬆症

    関節リウマチ自身にて骨が脆くなるが、治療薬(ステロイド剤)などでも骨粗鬆症を生じる事がある

  • ● 腱鞘炎(滑膜炎)

    手指に多い

  • ● 血管の炎症

    リウマトイド血管炎

リウマチの経過

関節リウマチの経過は、大きく3つのタイプに分けられます。

  • ① 短期間で病状が急速に進行する急速進行型
  • ② 良くなったり、悪くなったりを繰り返す多周期型
  • ③ 発症後1~2年で寛解(病状が一時的、あるいは永続的に軽減、あるいは消失すること)する短周期型

があります。
関節リウマチの主な病態である関節の破壊は、今まで考えられていた以上に進行が早く、発症早期から始まっていることが分かってきました。
関節破壊は、一旦起きてしまうと、元に戻ることはありませんが、最近では、発症早期からきちんと治療すれば関節の破壊が抑えられ、いわゆる寛解な状態になる事が可能となり、早期発見、早期治療を行うことが推奨されています。

関節リウマチの症状
関節リウマチの症状

約20年前と比較すると早期に診断、治療する事により、今後の生活を支障なく送れるまで治療も進歩しました。
関節リウマチは、その人によって症状も様々で、いわゆるテーラーメード治療になります。

当院では、個人の症状に合わせた内服治療や最新の生物学的製剤治療を行っています。
しかし、関節リウマチの治療は内服だけでは治らない事も事実です。手術療法など必要に応じて、専門医療機関への紹介を行っています。

治療の方法

関節リウマチの治療では、症状の活動性を診ながら、寛解を目標に治療を行っていきます。
寛解とは、病状が一時的、あるいは永続的に軽減、あるいは消失することをいいます。
寛解に入った後も、寛解を持続することが大切です。

その為、炎症を鎮静化し(臨床的寛解)、骨関節破壊の進行を抑え(構造的寛解)、ADL(日常生活動作)、QOL(生活の質)を向上させること(機能的寛解)を目指した治療目標が立てられます。

このようなやり方を「目標を持った治療(Treat to Target)」と呼ばれます。症状に合わせて、基礎療法、薬物療法、リハビリテーション、手術療法などが行われます。

治療の方法

基礎療法

関節リウマチという疾患を理解し、適度な運動と安静、関節の保護、バランスの良い食事や十分な睡眠など規則正しい生活を送ることが大切です。また、喫煙や歯周病が関節リウマチの活動性に関与しているとも言われているため、禁煙も大切です。

基礎療法

薬物療法

薬物投与は治療の中心的存在であり、関節の炎症や破壊を抑え、寛解を目指す目的で行われます。
お薬には「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)」、「副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)」、「疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)」、「JAK阻害薬」、「生物学的製剤」などがあります。

薬物療法

リハビリテーション

関節の動く範囲を広げるため関節の可動域訓練(ROM訓練)を行い、血液の流れを良くし、痛みや筋肉のこわばりをとるための運動療法や、筋力増強訓練、歩行訓練などによって日常生活動作の改善・維持を図ります。また、患部を温めて痛みやこわばりを和らげる温熱療法などを行います。

リハビリテーション

手術療法

滑膜切除術、関節切除形成術、関節固定術、人工関節置換術、腱移行術、腱移植術などが行われます。
※当院では手術は行っていない為、高次医療機関への紹介となります。

手術療法

当院での治療の流れ

当院では、最初に看護師が、患者様の痛みの状況や、日常生活動作の状態などの聞き取りをさせていただきます。
その後、院長の診察があり、採血、痛みの部位の測定、レントゲンなど、患者様一人一人に合わせた検査を行っていきます。

関節リウマチの診断は、患者様の痛みや腫れの状態、血液検査の数値などを診させていただく中で診断していきます。
まずは早く痛みをとっていきながら、継続して日常生活での症状や痛みの状態、リウマチの活動性を診させていただき、内服治療や生物学的製剤など、個々の症状、経過に合わせた治療法を行っていきます。

その後、治療の効果はどうか、関節破壊の進行はないか、合併症や薬の副作用などが出ていないかなど、採血やレントゲン撮影などの検査を定期的に行います。

当院での治療の流れ
※1 血液検査やレントゲン撮影などの定期検査は患者様のリウマチの症状や治療薬の副作用、合併症の有無などによって検査期間は異なります。(検査2~3ヶ月間隔)

血液検査内容

検査の種類正常値目的
血沈20㎜以下(女性)リウマチの活動性や
炎症の程度を
10㎜以下(男性)
CRP0.3㎎/㎗以下
抗CCP抗体4.5U/ml未満リウマチの診断
リウマトイド因子15IU/ml以下リウマチの診断
活動性の評価
MMP-317.3~59.7ng/ml(女性)リウマチの診断
36.9~121ng/ml (男性)活動性の評価
(1)血沈
血液中の赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈んでいくかを調べます。(赤血球沈下速度)
これは、リウマチの炎症の度合い(活動性)をみる検査です。正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、リウマチが悪化するにつれて値が進んでいきます。ただし、感染症や自己免疫疾患の炎症によるフィブリノーゲンや免疫グロブリンの増加、低アルブミン血症、貧血などの様々な因子によって亢進するためリウマチだけでなくその他の膠原病、感染症、慢性疾患でも亢進がみられます。
(2)CRP(炎症反応)
リウマチによる関節炎の程度を表すCRP(C反応性蛋白)の値を調べます。正常値は0.3㎎/㎗以下です。
(3)抗CCP抗体
環状シトルリン化ペプチド(CCP)と呼ばれる物質に対する抗体です。
早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されています。
この抗体が多いと活動性が高く、かつ骨破壊が進行しやすいため、早期より強力な治療が必要とされます。
(4)リウマトイド因子
リウマチでは、自分の細胞や組織に対する抗体が産生されます。その一つがリウマトイド因子で、この値が高い場合、陽性とされ、リウマチが疑われます。
ただし、リウマチ患者さんの約75%が陽性ですが、残り25%は陰性です。また、肝硬変や慢性肝炎、結核なども陽性反応みられるため、リウマチ診断において絶対的ものではありません。リウマチの活動性の評価に使用されることもあります。
(5)マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)
関節内の滑膜組織から作られる酵素で、関節炎がひどくなると、増加します。
リウマチ診断の補助に使われ、また、治療薬の効果を調べるのに役立ちます。
腎機能低下など、他の病態でも上昇することがあります。

尿検査

リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。
尿検査、薬の副作用や、合併症のチェックもできる検査です。

当院の診療について

リウマチ医、リウマチケア看護師による専門的診療

当院の院長は日本整形外科学会認定リウマチ医の資格を有しております。また、リウマチケア看護師も複数名在籍しております。関節リウマチは、薬による治療、リハビリテーション、そして時には手術療法なども組み合わせ、適切な治療を行っていくことが何よりも大切です。診断・治療のみならず、関節リウマチの様々な問題に対しての相談にも応じています。

院長

最先端の治療を行っています。

当院ではリウマチ治療に生物学的製剤を使用しております。生物学的製剤は最先端のバイオテクノロジー技術によって生み出された医薬品で、関節リウマチに対しては2003年から国内での使用が開始されています。
これまでの抗リウマチ薬に比べて薬剤費が高価ですが、有効性にかなりの期待ができる薬剤で、特に関節破壊抑制効果に優れていることが知られています。最近は、バイオシミラーという、比較的安価な生物学的製剤も開発されました。
リウマトレックスを中心とする治療で充分に病勢のコントロールが出来ない場合、出来るだけ早期に生物学的製剤を導入して関節破壊を防ぐという治療指針が国際的にも広く受け入れられています。

病院外観

リウマチ科についてよくいただくご質問

Q:リウマチ科とは?

A:膠原病という自己に対する免疫異常を来す疾患の中で、関節リウマチの診断と治療を行っています。

Q:関節リウマチとは?

A:全身のいろいろな関節に炎症が起こり、関節が腫れ、変形が起こり痛みを伴う病気です。本邦では約70万人がこの病気に罹患しています。
20~50歳代に発症する人が多く、女性に多く認められています。病気の原因は分かっていませんが、免疫系に異常があるためとされています。

Q:リウマチの症状は?

A:手、足の関節の疼痛と腫れで、少数から多数の関節に起こります。また、朝の手などのこわばりが生じることが特徴的な症状です。
全身症状としては、疲れやすい、脱力感、発熱などがあります。

Q:リウマチの診断は?

A:症状や身体所見および血液・X線検査にて総合的に診断を行います。
役に立つ検査としては、朝のこわばり、血清のリウマトイド因子、CRP、赤沈、手のX線写真があります。

Q:どのような症状があれば受診した方がいいですか?

A:関節痛や関節の腫れ、朝の手足の関節のこわばりなど特徴的な症状があればもちろんですが、多くは、微熱や全身倦怠感、ひとつの指の痛みや腫れなどの症状で発症する事もあります。少しでも不安に思われた際は気軽に受診されて下さい。