手根管症候群
【症状】
初期には示指(人差し指)と中指の痛みとしびれ、最終的には母指(親指)から環指(薬指)の母指側半分の指がしびれます。痛みと痺れは夜間あるいは明け方に強い傾向があり、目を覚ますと手がしびれ、痛みます。
【病態】
手首にある手根管というトンネル内で正中神経という神経が圧迫されることで起こります。妊娠・出産期や更年期の女性や骨折などの怪我や手の過度の使用、血液透析をしている人、ガングリオンなどの形成が原因とされています。
手首を打腱器などで叩くと痛みやしびれが指先に響く(ティネル徴候)、手首を曲げる(掌屈位)と症状が認められます。症状がひどくなると母指の付け根がやせて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。手首を曲げて手の甲を合わせて保持し(ファレンテスト)、1分間以内に痛みや痺れが強くなる場合は本疾患が疑われます。また、母指の付け根の筋力低下や筋萎縮を診ます。
【治療】
軽症や中等度の例では、手関節を固定する装具を用いての局所の安静、飲み薬、注射などの保存的療法を行います。難治性のものや筋萎縮がある場合は神経の除圧目的の手術を行うことがあります。
<手関節の疾患>