尺骨神経麻痺
【症状】
尺骨神経の傷害がどこで生じるかによって症状が異なります。
肘より先の傷害では骨間筋、環指(薬指)と小指の麻痺と前腕の小指側、環指の小指側半分と小指の感覚障害が生じます。また、小指球と骨間筋に萎縮が認められ、環指と小指の付け根は過伸展し、第1・第2関節は屈曲し、かぎ爪変形(鷲手変形)を生じます。骨間筋麻痺のため、指の間に挟んだ紙は容易に引き抜かれます(紙引き抜きテスト)。また、両手の母指と示指(人差し指)で紙をつまみ、反対方向に引っ張る際に母指の第1関節が過度に曲がる症状(フローマン徴候)が見られます。肘より上側の傷害では上記に加えて環指と小指の第1関節の屈曲が不可能となります。
【病態】
原因は開放創や骨折などの外傷、絞扼性神経障害として肘部管症候群やギヨン管症候群などにより生じます。
【治療】
局所の安静や投薬、リハビリテーションを行います。症状の進行があれば、手術が必要となります。
<手関節の疾患>