患部は温める?冷やす?
1)はじめに
痛みがある所は温めた方がよいか、冷やした方が良いかと疑問に思われる方が多くいらっしゃいます。対応を間違うと痛みが悪化することがあるため注意が必要です。
2)発症からの時期
医学的には急性期は冷やして、慢性期は温めるのが良いとされています。
3)急性期
急性期とは痛みが出た初期の時期を指し、およそ発症から2~3日までをいいます。捻挫や打撲、骨折やぎっくり腰などの受傷直後が当てはまります。患部に腫れや赤み、熱感など炎症症状がある場合は冷やした方が良いとされています。
4)慢性期
慢性期とは急性期を過ぎた後の時期を言います。患部には炎症症状がなく、筋肉が固くなり重だるいような痛みや違和感があります。
5)冷やす効果
急性期の炎症反応は患部に負荷がかかり、血流量が増加し、腫れや熱感、痛みを生じている状態のため、炎症を早く抑えることが重要です。そのため、患部を安静にし、アイスバックや氷嚢などで冷やし、熱感を抑えることが重要です。また、併せて患部を心臓より高い位置に保ったり、圧迫することも効果的です。
6)温める効果
慢性期には筋肉が固くなり血流が阻害され、患部に酸素と栄養が行き届かなくなり、痛みが出現します。そのため、温めることで血流を改善し、痛みのある患部に十分な酸素と栄養が行き届くようにしてあげることが重要です。
7)最後に
一般的には急性期は冷やす、慢性期は温めるのが良いですが、急性期の期間を超えても炎症が続いていることもあります。発症からの期間で判断するのではなく患部の状態を確認したうえでの対応が必要です。また、捻挫や打撲と思い様子を見ていたら、症状が改善せず、後に靭帯や筋肉の断裂、骨折などと診断されることもありますので、怪我を自己判断せず、異常があればまずは整形外科の受診をお勧めします。