膝の関節注射とは?効果は?
膝の関節注射(ヒアルロン酸注射)について
膝に痛みや違和感を感じている方の中には、「ヒアルロン酸注射」という治療法を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、ヒアルロン酸注射とは何か、どのくらいの期間や頻度で行うべきか、そしてその効果についてご説明します。
ヒアルロン酸注射とは
ヒアルロン酸は、もともと私たちの体内に存在し、関節のなめらかな動きを助ける重要な成分です。特に膝関節の中で、関節液として存在し、クッションの役割を果たしています。しかし、加齢や膝の変形性関節症などによってヒアルロン酸が減少すると、痛みや炎症が生じやすくなります。
ヒアルロン酸注射は、こうした減少したヒアルロン酸を直接関節内に補う治療法です。主に変形性膝関節症の初期から中期にかけて多く用いられています。
治療期間や頻度について
ヒアルロン酸注射は1回の注射で終わるものではなく、一定の間隔で複数回行う必要があります。多くの場合、1週間に1回のペースで、5回を1クールとして施行します(製剤によって違いがあります)。
効果が持続していればそのまま経過観察としますが、痛みや症状が再発した場合、再度注射を行うこともあります。当院では6回目以降は1ヶ月に2回(2週間に1回)のペースで行います。注射を継続しなければならない期間には個人差があり、症状や関節の状態、ライフスタイルによっても異なります。
基本的には、保存療法(運動療法、体重管理、物理療法等)の一環としてヒアルロン酸注射を取り入れることが大切です。
ヒアルロン酸注射の効果について
ヒアルロン酸注射の主な効果は、関節内の滑りを良くし、クッション性を高めることで痛みや腫れを和らげることです。また、関節軟骨の摩擦を減らし、動きをなめらかにする補助的な効果も期待できます。
ただし、ヒアルロン酸注射は膝関節症の根本的な治療法ではなく、変形そのものを元に戻すことは難しいため、症状の緩和を目的とした治療であることをご理解ください。
症状が軽度~中等度であれば多くの患者さまで効果が期待できますが、進行した重度の関節症や関節内の構造変化が大きい場合は効果が限られることもあります。
まとめ
膝の痛みでお悩みの方にとって、ヒアルロン酸注射は一つの有効な選択肢です。治療法の選択や実際のスケジュールなど、気になることがあればお気軽にご相談ください。