和田アキ子さんの手術
1.和田アキ子さんの手術の様子がテレビで放送
和田アキ子さんが、自身が出演する情報番組『アッコにおまかせ』(9月17日(日)放送)内で膝関節の手術とリハビリの様子が放送されました。
手術を決意された理由について「NHKホールで立って歌いたいというのが願いですね」と語っておられ、手術への不安はあったと思いますが、歌手としての強い意志と決意を感じました。
手術の執刀医は苑田会人工関節センター病院の杉本和隆医師で和田さんの症状を「変形性膝関節症で外側の軟骨がすり減っており、末期の膝関節症」だとおっしゃっていました。
そして、手術は単顆人工膝関節置換術(UKA:Unicompartmental Knee Arthroplasty)が行われました。
2.単顆人工膝関節置換術(UKA)とは
単顆人工関節置換術(UKA)は、変形性関節症、関節リウマチなどで変形した膝関節の表面を人工関節に置き換える手術方法です。
一般的に人工膝関節置換術としてよく知られているのは全置換術で、これは膝関節すべて、または膝のお皿の骨と太ももの間の関節(膝蓋大腿関節)を除く内・外両側の関節を人工関節に換えるものです。
UKAは痛みの原因となっている内側か外側の膝関節のすり減った1ヶ所だけを人工関節に置き換える手術方法のことを言います。
UKAは、全置換術と比べて手術の傷口も小さく、出血も少なく手術後の腫脹(腫れ)も軽い傾向にあります。また、膝関節内の靭帯を温存することができるなど、身体への負担も軽くなり、手術後のスムーズなリハビリテーションや早期の回復が期待できます。
3.和田アキ子さんのリハビリの様子
また、番組内では手術後のリハビリの様子も放送されていました。手術の翌日からベッドでの膝の関節を動かす訓練や立ち上がる訓練、2日目には平行棒内での歩行訓練、3日目には杖での歩行訓練を行われており、順調に回復されていました。恐怖心もありながら、前向きにリハビリに取り組まれる姿には感銘いたしました。
4.最後に
変形性膝関節症の患者数は自覚症状を有するものは約1000万人、症状のない患者(レントゲン診断による患者数)は約3000万人と言われています。病状によって初期から末期まで分類され、痛み、関節の動きの制限、歩行障害などの症状がみられます。症状の進行が著しい場合は人工関節膝関節置換術が行われ、痛みが軽減し、歩行能力の改善が期待できます。しかし、長年症状を患っている場合、痛みをかばって膝の周りの筋肉が硬くなったり、筋力が低下したり、身体の他の部分に負担がかかり、治療やリハビリが難渋することがあります。まずは膝に違和感がある時は早期に整形外科に受診しましょう。適切な治療やリハビリテーションを行うことで、その後の生活、人生が大きく変わっていきます。