先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全症
【症状】
股関節脱臼、開排制限(股関節の開きが悪いこと)、大腿の皮膚溝(しわ)が非対称、脚長差、歩行開始の遅延。
【病態】
新生児(特に女児)や骨盤位分娩に多く発症する。新生児期に抱っこや寝かせている時に股関節を伸ばした状態をとることで脱臼などが起きます。
【治療】
先天性股関節脱臼については、股関節が完全に脱臼しているかどうかで治療は異なります。最初はコアラ抱っこなどの生活指導を行います。脱臼している場合は整復が必要となり生後6〜8ヶ月頃まで装具療法(Riemenbugel装具)を行います。約80%はこの装具のみで整復されます。生後8ヶ月以降は牽引治療を開始します。装具・牽引療法でも整復困難な場合は手術療法が行われます。
臼蓋形成不全については、必要に応じて保存療法、手術療法(骨切り術・人工股関節置換術)が重症度や年齢に応じて選択されます。術後、リハビリテーションを行います。
<股関節の疾患>